VHSテープのクリーニング致します(日本工業新聞)
1999年10月26日1面
“カビてた思い出”鮮かに
VHSテープのクリーニング致します
貴重なビデオテープの映像を生き返らせます―。
映像・音楽技術のベンチャー、日本ビデオ映像保存研究所(代表・井古田秀氏、東京都渋谷区、〓03・3469・6722)は、8ミリやVHS方式のビデオテープに付着し映像を劣化させるカビやホコリのクリーニング装置を開発、個人やビデオレンタル店などを対象にクリーニングサービスを今月末から開始する。
従来、ビデオテープ用クリーニングキットは市販されているものの、一本丸ごと徹底的に汚れをふき取る専門のサービスは初めて。デジタル映像が花盛りだが、個人の映像記録の大半はまだビデオテープ。子供の運動会や結婚式、思い出深い映画など基調な映像記録の保存には朗報となりそうだ。
同社が開発したクリーニング装置は、無水アルコールでテープのカビやホコリをふき取り、即座に乾燥させる仕組み。マシンできれいになったテープは、さらに熟練記述者が手作業で細かな汚れを落として「最大限に録画時の状態に蘇らせる」(井古田代表)。ただ、どうしてもカセットケースに微少なカビなどが残るため「クリーニング後のダビングをお勧めしている」(同)という。
一般向けサービスは、VHSビデオテープ一本が一千五百円。同社では、ビデオレンタル店向けサービスや、コンビニ、フォトショップなどを通じた受注ネットワークの拡大を目指す。
2001年1月22日
テープ洗浄事業を本格展開
全VHSに対応 8ミリフィルムやベータも
映像技術ベンチャーの日本ビデオ映像保存研究所(代表・井古田秀彦氏、千葉市中央区、〓043・222・3116)は、8ミリフィルムやビデオテープに付着して映像を劣化させるカビやホコリのクリーニングサービスで、全メーカーのビデオテープに対応、本格営業に乗り出した。同社は昨年9月、新型クリーニング装置を開発し、サービスを開始した。需要が高まりつつある小型ビデオカメラ用VHS-Cテープのクリーニングも開始、営業拡大を図る。
日本ビデオ映像保存研が新装置
同社では、カビやホコリの影響で映像が劣化したまま個人が保有しているビデオテープは無数にあり、今後も需要は高まると予想。学校や役所など公共機関の資料ビデオのデジタル化の動きが活発化していることから、個人向け以外の需要も取り込みたい考えだ。
同サービスは、独自開発したクリーニング装置を使用。同装置はフッ素系や無水アルコールなど数種類の溶液を調合したクリーニング液を利用して、カビやホコリを溶解・除去し、即座に乾燥させる仕組み。
同装置により「汚れの程度によるが、三、四年程度の汚れであれば、85%から90%のカビは除去できる」(井古田代表)。その後、ケース内の部品やドラムに付着したカビやホコリや、テープに残った細かな汚れなどを手作業で除去することで、「可能な限り録画時の状態に近づける」(同)という。
メーカーからの紹介や電器店を通じて、最高で月300本、平均でも150本から200本の依頼が舞い込んでいるという。
クリーニングは、8ミリとVHSのほか、VHS-C、ベータが可能。料金は、VHSビデオテープの場合、装置クリーニングと手作業を含めて60分3500円から。クリーニング装置洗浄のみで、5本まとめて17,500円の簡易サービスも実施している。
ただ、テープをクリーニングしても、カセットケースには微少なカビなどが残り、再繁殖する可能性が高いため、VHSへのダビングを実施。
さらに今後は、劣化や汚れによる影響が少なく、長期間保存が可能なDVD(デジタル多用途ディスク)などデジタル記録メディアへの記録についても、専門会社と共同で行う方向で計画を進めている。